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2020年05月13日 記事
コネクタ部分が、ひどい状態に変形破損した

2020年05月13日(水)

東京都内からの依頼品です
パソコンにUSBメモリを付けている状態で足がUSBメモリに当たったとのことでした。
電話ではそれだけしか聞いていませんでしたので、いつものように曲がったものが届くのかな?と思っていました
USBメモリがプチプチ付きの封筒で届き、封筒から取り出して驚きました
なんと、横方向に大きく曲がっていました
ひょっとすると、基板が割れているのではないかとの不安です
ケースから基板が見えていて、配線のようなものと、金属が見えています
これほどひどいと、コネクタの端子の断線だけではすまないのではと思いケースを開封することにしました
本来はこのUSBメモリのケースは強く引くと開く構造ですが、この状態では引き出すと回路パターンが断線したり、微小部品が取れてしまいます

そのため、ケースを削り取っていくことにしました
ケースを削り取って中から基板を取り出した状態が2番目と3番目の写真です
顕微鏡で確認すると、9本の導電端子は全て外れて、コネクタの固定部分も1箇所が付いているだけでした
データ取り出し用のコネクタに配線してパソコンに繋ぐと、案の定認識されません
これは大変な状態だと思いながら測定器で調査を進めると、信号線に導通のない箇所が見つかりました。
しかし、どこが断線しているのかさっぱり分かりません
暫く休憩することに。このような時は落ち着くために少し時間をとることが必要です。これは経験的に感じたことです。
USBメモリのデータはどのお客様も急いでおられる方が多いため、つい、急ぎたくなりますが、それ以上に冷静さが必要です
調査を続けていくと、とても見えずらい箇所に少し金色に光っているものが見えました
顕微鏡の倍率を上げて注意しながら見ていくと、見つかりました。
回路パターンが断線しています。これはとても分かりにくい。
とても断線しているとは見えませんでした。特殊な導通機で確認すると、導通がありませんでした。ジャンパー線で繋いで再度パソコンに繋ぐと認識されました

今回の作業はとても難解でした。ざっと1時間は基板を調べまわしました
軽度物理破損で8000円いただきました

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